辛晩的スペシャルレビュー
  
  

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Guten Appetit! (さあ召し上がれ!)
〜南ドイツ「ミェンヘン&ニュールンベルグ」飲食記〜
 

 ドイツのビールは日本や米国のビールとは販売形態が違い、全国ブランドが一部の例外を除いてほとんどない為に、ほぼ全銘柄が地ビールである。

 ということはデュッセルドルフのアルトビールは、電車で30分の隣町ケルンでは飲めないし、ケルンのコルシュビールもデュッセルドルフでは飲めない。  これはまさに「旅行好き+ビール好き」人間には夢のような国なのである。

 そして肉とじゃがいもを中心とした南ドイツ料理はこのビールと一緒に食べることで、何倍も美味しく感じられる。
 素朴で塩味のきいたドイツ料理とドイツビールの組合せこそ、ドイツ料理の真価がわかる瞬間なのである。


バイエルン州ミュンヘン
 ドイツでもミュンヘンほどビールが生活に溶け込んでる街は珍しい。 何しろ普通のビジネスマンが平日の朝からビールを駅で飲んでいる街なのだ(*1)。

 そのミュンヘンのビールの中でHaruのお気に入りは"ヴァイツビア・ヘーフェ"と呼ばれるビール酵母入りの白ビール。 ビンの底に沈殿した酵母をしっかりグラスに注ぐと甘くてイースト菌が発酵したようないい香りがする。

 エルディンガー(1886年創業)、パウラナー(1634年創業)、フランチェスカナー(1363年創業) などがミュンヘンの大手ビール。  どれを飲んでも美味しいけど、Haru一番のお薦めはERDINGERかな。(*2)

 ミュンヘンで今回一番美味しかったのはAndechser am Dom ミュンヘン旧市庁舎の少し左側にある通りの角にある。

 ここで食べたジョイフレ(*3)、付け合わせのグレイビーソース、ジャーマンポテトにソーセージなどどれも美味しかったが、 特にここのカルパッチョのソースは絶品
 このカルパッチョを食べたさにもう一泊ミュンヘンに滞在しようかと考えたほどだ。 サービス、雰囲気、値段も申し分なく この店のオリジナルビールも美味しかった。

もう一軒のお薦めはDicker Mann。 ミュンヘン旧市庁舎の今度はやや南。

 肉料理ももちろん美味しいけれども、ここのサラダとスープがとても美味しかった。
 特にドイツの秋の味覚キノコがたっぷり入ったサラダ(写真上)はびっくりする美味しさ。  オニオンスープやハウスサラダのドレッシングもGood.

 場所が観光地と反対方向にあるせいか地元の客が多く値段も安い。 しっかりしてるけど気さくなサービスと 相まって居心地のよい居酒屋の雰囲気だった。

 逆にガイドブックでは有名な"Augustiner"はそのサービスの手際の悪さが目立つ店だった。
 賑やかなショッピング通りにあるので観光客で賑わってはいるのだが、人手が足らないのかサービスは遅く、オーダーも料理もぜんぜん回ってこない。  ウェイターの態度も横柄なので、さっさとビール一杯で出てきてしまった。(*4)


バイエルン州ニュールンベルグ
 バイエルン州第二の都市、ニュールンベルグは、ワーグナーの楽劇やナチ戦犯に対する裁判(*5)など知られている街だが、Haru的には ニュルンベルグ名物「ブラートヴルスト」ソーセージとこの地方の郷土料理フランケン料理+フランケンワインが今回のお目当てである。

 「ブラートヴルスト」ソーセージは親指大の大きさで、これを炭火でカリカリッと焼くのが本場流。(最初の写真)

 6本からオーダーできるけど みんな12本、24本単位でバンバン食べる。 新鮮な豚ひき肉に塩味とペッパーの効いたこの味にドイツビールが進んでしょうがない。

 また屋台などでは一口サイズのフランスパンに挟んでマスタードで食べる。 カリッとしたソーセージとサクッとしたパンの組合せがこれまた美味しい。

 このソーセージの専門店Bratwursthausleは観光客向けに民族衣装を着た女性が働いているが 味はホンモノ。

 炭火焼きももちろん美味しいが、このソーセージが入ったスープ「ザウアーズップフェル」(5.5 Euro)はたっぷり入ったタマネギの甘みと ワインビネガーの酸味の効いたスープが絶妙の美味しさ。

このソーセージも含めて美味しいフランケン料理がお手頃な値段で食べれるのがBohm's Herrenkellerだ。
 レバーの肉団子が 入ったコンソメスープ「レバークヌーベルズッペ」、シナモンが香る牛肉の赤ワイン煮、ピリッと辛いホワイトソースがかかったビーフソテーなど どれも美味しくって2日も通っちゃいました

 

 もう一軒のお薦めはBarfusser
 ここは店内にミニ醸造所を持つビアホール。 もともとは16世紀からの倉庫だったこのお店は かなりの広さだが、そこに地元のおっちゃん・おばちゃん・学生達が集って大賑わい。
 ほとんどの人が何も食べずにひたすらビール。 みんなが気軽に声をかけてくれる居心地のよいビアホールだ。(*6)

 そしてもう一つの名物フランケンワイン。 有名な白は他のドイツワインと異なり辛口でスムースな飲み心地。 Zinfandelに近い味かな。 赤はあっさりしていてややスパイシー。 どちらのHaru好みの味だ。
 ちなみに写真右は中央市場で見かけた「とんがりキャベツ」(*7)。 味は普通と同じらしいけど

せん切りしやすそうだなぁ(笑)

バイエルン州バンベルク
 ニュルンベルグから列車で40分北上したあるのが「ドイツの小ベニス」と呼ばれるバンベルクだ。

 戦災をまぬがれた美しいこの街はあまり観光化されてないこともあって、むしろドイツ人観光客に人気がある場所だ。 そしてこの街を有名にしている もう一つのものが世界唯一の薫製ビール「ラオホビールである。

 300年以上もの歴史を持つこのビールは最高級の大麦をブナの木でゆっくりとスモークしてつくられるもので、「ビールの芸術」と呼ばれる。
 独特の香りは好みが分かれるところだが、飲みすすむとクセになる不思議なビール。 もちろんミュンヘンでもニュールンベルグでも買うことも飲むこともできない。(*8)


ノルトライン・ウェストファーレン州ケルン
 朝飯で立ち寄ったケルンで見かけた美味しそうなパイと思いきや、すごく酸っぱいこのパイもどき。
 名前がわからないので「梅干しパイ」と勝手に名付けた。 一緒に飲んだエスプレッソの味が吹っ飛ぶ味だった。


ウェストファーレン州ショッピンゲン
 デュッセルドルフから北へ1時間半程度鉄道で行った所にある北ドイツの交通の要所「ミュンスター」からバスで30分ほど郊外にある小さな街。

 この街に立ち寄った理由はシンシナティに住んでいるドイツ人の友人のご両親がこの街に住んでいて、Haruを招待してくれたからだ。(*9)

 心温まる彼らのもてなしに美味しい家庭料理と楽しい会話でディナーはいつ終わるともなく続く。
 この楽しい席で初めて飲んだのがSasseと 呼ばれるリキュールである。 小さなコップでグッと飲み干すのがこちらの習慣らしいが、なにせ32%もアルコール分があるのですぐにいい気分になってしまう。

 Sasseが気に入ったHaruはしっかりお土産でシンシナティに持ち帰ってきました。(笑)



 最後にとってもかわいかったのが、
ゆで卵専用毛糸の帽子。

 食べる直前まで
これをかぶっているから
ゆで卵が暖かい。

 

 

(写真左)
ケルンのビール、コルシュ。 細長のグラスで飲む。 すっきりした味

 

 

 

 

(*1)後で北ドイツに住むドイツ人に聞いたらその習慣はミュンヘンだけらしい。

(写真左)Haruの大好きなERDINGER

(*2)エルディンガー以外はジャングルジムで購入可

Andechser am Dom 情報
TEL:89-298481
10AM-1AM

(*3)豚をカリッとオーブンで焼き上げた料理。 ぱりぱりの脂がすっごくおいしい。 

Dicker Mann
情報
日本食レストラン「三船」の前 TEL:89-23-000766

(写真左)サッとグリルしたキノコの香ばしさとバルサミコ酢ドレッシングが美味しい。
 皿30センチはある大サラダだ。

Augustiner
(*4)ま、おかげでAndechser am Domが見つかったんだけどね。

(*5)ワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」、ニュルンベルグ裁判(1945-46年)

(写真左)泣けてくる美味しさ。
ニュールンベルグソーセージと
ジャーマンポテト

 

 

Bratwurstha:usle
TEL:0911-227695
10AM-9:30PM
日祝日休み

 

Bohm's Herrenkeller

(写真左)ピリッと辛いホースラディシュ(西洋わさび)入りホワイトソースのビーフソテー

Barfusser
TEL:0911-204242
5PM-1AM 無休

(*6)もっとも年輩の人には英語が通じないことが多かったけれど。。

 

(*7)このキャベツの高さは40センチ近くもある。

 

 

 

 

 

 

(*8)のはずなのだが...なんとジャングルジムでは売っている。<恐るべしジャンジー

 

 

 

 

(*9)一般のドイツの家庭に泊めて頂ける滅多にない機会なので少々図々しいかなと思いながらもおやっかいになりました。

(写真左)もちもちっとした歯ごたえのクネーデル(茹でたジャガイモ団子とマッシュルームソース)

SASSE
最初は素朴な香りとツンとしたアルコール臭がするが、やがてナチュラルな穀物の美味しさがいっぱいに広がってくる。


(おまけ)シンシナティで買えるお薦めのドイツビール

 今回のドイツ旅行を通じてドイツビールの美味しさに目覚めてしまいました。 というわけでシンシナティで買えるHaru お薦めドイツビールの紹介をしたいと思います。(場所が無明記の場合はすべてジャングルジムズ)

Bitburger
 トリアーの近くビットブルグ市で作られている有名なピルスナービール。
 ビールに使用する水は地下300メートルから汲み出された地下水で、この名水がもたらすサッパリしたのど越しに ポップの効いた香りと上品な苦みが上手くマッチしている感じだ。
 日本でビール造りが始まった頃にお手本にされたのがこのビールだと言われている。  ワールドカップで来日したドイツのGK・オリバーカーンが飲んでいたビールとしても有名。

Frankenheim
 このビールはデュッセルドルフ名物アルトビールの一つで香りと苦味が強い赤褐色のビール。 最初は少しクセがあるが、実はさっぱりとした飲みやすいビールである。
 ジャングルジムの他にKrogerやBiggsの輸入ビールコーナーで売られていることもある。

Paulaner/Hafe-Weizen
 ミュンヘンでお世話になった白ビールの一つ。 下面発酵ビールで無濾過なために瓶の底に酵母が溜まっているので最後は少し振ってからグラスに注ぐのが本式。  味はフルーティで甘く、ベルベットのような泡がやわらかい。 スライスしたレモンを入れれば極上のビアカクテルに早変わり。

 

Rauchbier
 本文で紹介したバンベルクの薫製ビール。 ジャングルジムで一瓶$3程度で売られている。  これを飲みながらだと「タダのハム」が薫製ハムに思えてくるから不思議だ。(笑)

Samuel Adams Weiss Bier
 Haruお薦めの食材の方で紹介しているけど、やっぱり美味しいのでもう一度。 アメリカの人気ビール「サミエルアダムス」の白ビールがこれ。  本場ドイツのものより、よりフルーティな味わいに仕上がっていて特に女性にお勧めのビール。
 ハイドパークのクローガーの他に最近ではジャングルジムでも買える。

2002年11月4日

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