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辛晩記
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●集合場所
 

 その日本人主催のバーベキューパーティにお誘いを受けたのは、まだこの街に引っ越してきてすぐの頃だった。

知らない人ばっかりで大丈夫かなぁ? ちゃんとその場所に着けるかなぁ。などといろいろと不安になる。

みんな親切な人ばかりだから大丈夫。
それに集合場所の公園もわかりやすいから心配しなくていいし。

入り口に大きいタンクがあるからすぐわかりますよ。

 

 ところが不安は的中して、道に迷ってしまったHaruであった。

えーとこの辺のはずだよなぁ。そろそろ大きいタンクが見えてきてもいいはずなんだけどなぁ。

と思って、曲がり角を曲がった瞬間。

あ、ここだ!

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タンクって、、戦車だったのね。

さすが軍事大国 アメリカ。 恐るべし



●理想の髪型 その後
 

(このネタは理想の髪型の続編です。まだ読んでない方はそちらからどうぞ。)

 いくらアメリカとはいえ、ビジネスマンにとって、キチンとした髪型は当然のエチケット。 まして

「アメリカでの転職のための面接を明日に控えた」

Haruにとっては、採用を勝ち取るための大切な第一歩なのである。  確かに英語で髪型を注文するのはすごく大変なのだが、もはや

床屋英語を制覇した

俺には何の不安もない。

 

 

髪型はどうするの?

担当のおばちゃん「ナンシー」が尋ねる。

ふっ。この瞬間を待っていたぜ

渋い声で....

バリカン番号 No.4で頼むよ。

 

「え?」と少し驚いたナンシーの顔

 

ふっ、そうさ。 それで早いとこ頼むよ

 

 

 慣れない手つきでバリカンを準備するナンシーを横目で見ながら余裕の俺

おそらくナンシーはここの新顔なのだろう。ふっ...

 

 

本当にいいのね?

 

あまりにしつこく聞くので、ちょっと不安になるが、

床屋英語を制覇した

俺としては、いまさら後には引けない。

 

 

Don't worry! Go!
(問題ないぜ。行けっ!)

 

その瞬間

 

 

吹っ切れたように
ナンシーのバリカンがうなりをあげる!!!

 

俺の知っているバリカン No.4は襟の周りをやさしくなで上げるものなのだが...

 

 

ナンシーのバリカンは

俺の右前髪から後頭部まで

一気に刈りあげていく!! 

 

これはまさに

一列だけが凹んだ

逆モヒカン状態...

この時、混乱した俺の頭脳は

ある悲しすぎる結論

に達した。

 

 

そう

バリカン番号4番ってのは、けっして 

 

 

 

 

頭全体を切るモノでは
ないのだ!!!

 

どうこんな感じでいいのよね?

 

珍しい客の注文をこなして、またはチップへの期待か、
ナンシーも上気してるように見える。

その髪型はまるで高校球児

いやそんな爽やかなもんじゃなくて

へたくそなナンシーカットは、 どっちかというと、

 

 

 

 

刑務所で服役中の
謎のアジア人

 

翌日、その髪型を見た会社の先輩が一言。 

 

お前、本気でアメリカで転職する気ある? 



●深い絆
 

会社の出張で出かけた南ドイツの田舎町。

仕事が終わると、同僚のSさんと一緒に小さなダウンタウンをウロウロした後に地元の飲み屋をのぞいてみた。

 そこには既にほろ酔いでご機嫌になったドイツのオッサン達が楽しそうに飲んでいて、物珍しいアジアからの新顔に早速ちょっかいを出してきた。

おい、兄ちゃん。どこから来たんだい?

日本だよ。

見かけない顔だけど、飲める口かい?

 と言ってオチョコみたいな小さなグラスに入ったお酒を勧めてくる。
一口飲んでみるとかなりキツイ。アルコール度数43度のドイツ産ウオッカとのこと。

 これを一気に飲み干すと、周りもやんやと盛り上がる。 更に何人かが寄って来て、差しつ差されつの飲みに突入することになった。

 当然、集中攻撃を浴びるHaruだが(Sさんはビール一杯で天国に行ける幸せな人なので既に寝てた)、ここで怯んでは九州男児の名がすたるとばかりにグイグイと飲み進む。 このノリの良さが気に入ったのか? 飲みのボルテージがどんどん上がっていく。

 

 そこへ常連らしきおねーちゃんがやって来て、

なんだか今日は盛り上がってるわね。どうしたの?

 

今日はこのHaruってヤツを囲んで盛り上がってるんだ。

こいつは今日会ったばかりだけど、
俺たちは長い間の仲間みたいなもんなんだぜ。

 

何しろ、俺たちゃ、昔からずーっと...

 

 

 

 

 

 

 

同盟国だしな。

うーん、そういうわけじゃ...



●本場の味
 

会社の同僚のジョーが初の海外出張でイタリアに行くことになった。

ジョー、イタリアに行くなら是非パスタとビザを食べておいでよ。
やっぱり本場の料理は違うよ。

OK わかったよ Haru!!

そう言って出かけて行ったジョーが2週間後に帰ってきた。

ジョー、本場のパスタとピザを満喫してきたかい?

それが、せっかくのイタリアだからいろんなお店に行ってみたんだけど、
どの店もピザは薄いし
チーズが少なくて、全然お腹いっぱいにならないんだぜ。

それに。。

スパゲッティなんか固くて

中に芯が残ってるんだぜ。

 

やっぱりピザとパスタは

 

 

アメリカのが一番だよな。

と断言するジョー。

ジョー、それは「アルデンテ」って言って、一番美味しい茹で方なんだよ。

なんだ? そのアルデンテってのは?

 

 

 

日本語か?

 

 

そこにたまたま集まってきた同じ部署のアメリカ人10人、誰もアルデンテって知らなかった。

そっか、どおりでシンシナティのオリーブガーデンでパスタを頼むときに アルデンテって言ってもウェイトレスのおねーさんは不思議そうな顔してたのか。

アメリカでアルデンテを食べる道は果てしなく遠い...続く。



●銃社会 アメリカ
 

 ある日、近くの行きつけの床屋に出かけると隣の中華料理店の様子が普段と違っていた。

 そこには数台のパトカーがお店の前に無造作に停めてあり、警官が事情聴取や現場検証をしている。

 

よく見るとお店のガラスドアに銃痕が2発と無数のひび割れが...

 おそらく強盗かヘイトクレイムと呼ばれる嫌がらせによるものだろう。普段は平和なこのあたりでもこういう犯罪は起こりえるのだ。

そう、ここは...

 

銃社会 アメリカ

 お店の修理にかかる金銭的な負担に加えて、お店の人の精神的ショックも相当なものだろう。  しばらくは営業もできないだろうし、もしかしたらお店の移転も考えるんじゃないだろうか?

 床屋を出て、隣の中華料理店を見るともうパトカーも警官も帰った後だった。
 弾痕がまだ残っている痛々しいドアを見ると一枚の白い張り紙が貼ってある。おそらく今回の事情をお客さんに説明したものだろう。

そこには手書きでこう書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

本日営業中



●中国の詩

 Y子さんがそのESLの英語の先生のお家に招待されたのは、彼女がESLに参加して一ヶ月ぐらいした頃だった。

 Y子さんも含めて数人のアジア系の生徒が招待された先生の家で、楽しいお茶会が始まった。 先生はかなりのアジア通らしく、アジアの料理や映画、旅行などの話で自然に盛り上がる。 やがて先生は...

それじゃそろそろ私のお気に入りの部屋を紹介するわね。

 と言ってみんなを2階へと連れて行く。その部屋はアジア風のインテリアでまとめられていて、壁には書道や仏像などがセンスよく飾ってある。

先生、私たちよりも、もしかしたら
アジアのこと詳しいんじゃないですか?

ふふっ、どうかしら

と言いながらも彼女もまんざらでもなさそうだ。

最近は中国の漢詩なんかにも興味があるのよ。

 

と言って先生は部屋の赤いカーテンサッと広げた。

 

 

このカーテンには
有名な中国の漢詩が印刷されているの。

この中国の詩を見てるとなんだか、
穏やかな気分になれるわ。

みんなはどう?

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その時

一人の生徒申し訳なさそうにこう言った。

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先生、このカーテン

 

 

 

 

 

 

 

 

上下 逆です。



●夏の嵐

 シンシナティ郊外のブルーアッシュ市の花火大会と言えば、その規模と豪華さの割に混まずに見れることで有名で、Haruの独立記念日のお気に入りイベントである。

 今年も盛大な花火を見ながら、冷えたビールを飲むのを楽しみにブルーアッシュに出かけた...はずなのだが突然のサンダーストームで花火は中止、びしょ濡れでホテルに逃げ帰る羽目になってしまった。おまけにホテルは停電で、そのせいで部屋にも入れない。

 1時間ぐらいしてからようやく嵐は収まり、電気も回復。シャワーを浴びてようやく落ち着く。 ドッと疲れがでて......そのまま就寝。

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 翌朝は昨日の嵐がウソのような
アメリカ晴れの青空。

 

いい気分で車に荷物を運びだす。

 

本当にいい天気だなぁ。 

昨日暴風雨の中を逃げまどったとは信じられない。

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なんだか素敵な一日が始まる予感

 

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人だかり?

Haruの車の方だけど..

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全然 素敵じゃないよぉ ママン。(涙)

ホテルの支配人に警察、そして消防署とクレーン車が来て、車が動けるようにするのに半日潰れました。



●お風呂に入ろう
 

Haruはお風呂が好きである。

 いまさらHaruが力説するまでもなく、お風呂には疲労回復、ストレス解消、冷え性や乾燥肌にも効果があることは皆さんご存じの通り。

 昨年、最低気温がマイナス20度を記録したシンシナティの冬を快適に過ごすにはもう、お風呂しかありません。肩までゆっくり浸かると、明日への活力が湧いてくるようです。

でもね....アメリカ在住の方はご存じですよね。

 

アメリカのバスタブは
入浴するために設計されていない

ってことを。

あれはあくまでもシャワーの水を受ける

タライ

以外の何物でもないことを。

 このタライバスタブ溜まる量が非常に少ない上にバスタブに断熱材が全く入ってないので、あっという間に温度が下がる。しかも一度に使えるお湯の量自体も少ないといった感じで、

ほとんど

ヘレンケラーの
三重苦状態

  これではシンシナティの寒い冬は乗り切れません。

 

 

まず何より風呂が浅すぎる。
お湯の深さを測ってみると、たったの
25センチ

これじゃ

アフリカで干ばつ時に
水たまりにジッとしているワニ

 

になった惨めな気分。

そこで人から教えてもらった小技

 

上部排水溝のフタを回して上を向けると
水位がセンチ上がる技
...である。

確かにセコイ技だがこの4センチの差は大きい。結構お湯につかれるぞ。

 しかしこの方法には問題がある。

お風呂のなかで動くとお湯が横からあふれてしまうことと、
あいかわらずお湯がすぐに冷めてしまうことだ。

これではお風呂にのんびりつかって身体ぽかぽか作戦に成功の見込みはない。

 

 そこで作戦変更!

お風呂で困っている在米日本人は少なくないはずだから
きっと風呂桶ビジネスがあるに違いない!

 と思ってネットで調べてみると確かにある。

これぞ

日本の心とアメリカの大自然がマッチした

パーフェクトお風呂だが

写真みたいに外に置いたんじゃ裸で入れないぞ。
それにどうやって給湯するんだろ?

しかも値段が

15万円

 

 

15万円

 

 

15万円

 

 

これでは身体はぽかぽかになっても

フトコロが冷え切ってしまう

 

 もっと手軽な値段で、肩までざっぷりお湯につかれて、お湯が冷めにくいお風呂ってやっぱりアメリカでは無理なのかなぁ。 そんなあきらめモードのHaruがたまたまHome depotをウロウロしていると、そこで見つけたのはHaruにとっての...

 

理想のバスタブ!

 

 さっそく買ってタライバスにセットし、お湯をためてから、ザブンとつかる。

 深さは50センチもあるし、お湯がこぼれても外にバスタブがあるので大丈夫。 しかも2重底になるのでお湯が冷めにくい。 肩までお湯につかっていると

日本のお風呂って感じで
幸せいっぱい

 

これぞ

理想の
バスタブ

「 はるの湯 」

 

別名

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家庭用大型収納ケース

15ドル

こんなことしてる日本人はアメリカで俺だけだろうか?


●後遺症
 

会社の同僚から聞いたアメリカンジョーク

 先日シカゴで「食生活が体に与える深刻な問題について」の学術発表会が行われた。

 この問題の研究者として世界的な第一人者のドクターホフマンによると、我々が普段食べている食品にはさまざまな潜在的危険があるらしい。

 中華料理にたっぷり入っている味の素などの人工調味料。コーラなどの炭酸飲料に入っている人工甘味料、 赤身の肉や近海の魚などなど。

 これらの食べ物は食べた時にはそうでなくても、じわじわと体をむしばんで、後の生活に深刻な影響が与えるものも少なくないらしい。

更に博士はこう言った。

しかし世の中には一度食べただけで、

後の生活に深刻な後遺症を残す食べ物が存在するのです。

それは...

 

 その時、最前列に座っていた初老の紳士が立ち上がって発言した。

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ウェディングケーキ!



●白いカバー
 

メリカで料理をする日本人にとっての天敵の一つはスモークデテクターと呼ばれる煙感知器である。

なにせ料理といえば電子レンジかオーブンがほとんどというアメリカ料理を前提にしているので、非常に感度がよい。 魚なんて焼こうものなら、電子アラームの輪唱が始まったあげく、パトカーまでやってくる賑やかさである。

 このため、スモークデテクターの電池を抜いてしまっている日本人家庭も珍しくはないのだが、それを会社のデーブに話すと、

それをやると火災保険がおりないよ。

 万が一、火災が発生した場合、必ず現場検証でスモークデテクターが機能していたかどうかが調べられて、もし電池が入っていなければ、 その家の住人の過失となり火災保険がおりないのだそうだ。

うーん、それはマズイ。 でも料理の最中にパトカーが来るのもイヤだしと思い、キッチンペーパーで試しに覆ってみるが、これがまた見苦しい

うーん、軽くて、オシャレで、万が一の火災の時はあっさり燃えちゃうみたいな
白いカバーってないかなぁ?

と思って辺りを見渡すと意外な所にぴったりの品が。。

白い天井との相性もばっちり。

よもやこれが

 

 

 

 

 

 

日清焼きそばUFOの容器

とは誰も気付くまい。。

しかも賞味期限切れの。。



●白いシート

Haruが働いている場所は最近建てられた「研究所」で、研究所と言うぐらいだから企業秘密絡みの研究をしている組織が多い。

 ある日、Haruがいつも働いている研究室の隣をふと覗いてみると、ちょっと変な場所があることに気が付いた。

 部屋の中央に置かれたテーブルには、数台のコンピュータと実験機器らしき物が置いてあるみたいだが、白いシートですっぽり覆われていて中は見えない。  そのビニールシートの中にもぐり込んで研究員がなにか作業をしているのだ。

この研究所内で更にこのように隠す必要があるとは。。

かなり高度な企業秘密
関わる研究だろうか?

 気になりだすと毎日気になるのだが、ガラス越しに見ることはできても、隣の研究室には入ることができないので確認しようはない。

 そんなある日、例の研究室で働いているチャーリーと話す機会があったので、思い切って聞いてみることにした。

あのさぁ。君の研究室にあるあの白いシート
隠された実験機器は何なんだい?

あそこまでして隠すって事はかなり

トップシークレット

だと思うんだけど。。

それを聞いたチャーリーは最初何のことかわからないような顔をしていたが、やがてニヤリとしてこう言った。...

 

 

 

 

 

あの部屋は雨漏りするんだよ。

おいおい、最新の研究所じゃなかったのか。 ここって?



●訪問販売
 

 Fさん夫婦が念願の一軒家に引っ越してから、しばらく過ぎた頃だった。
 平日の昼間、Fさんの奥さんがひとりで家にいると、彼女の家のドアをノックする音がする。  思わずドアを開けたところ、そこにはオハイオサイズの黒人のおばちゃんが立っていた。

 妙に馴れ馴れしい彼女はどうやら洗剤の訪問販売らしい。 どうやってお引き取り願おうかと考えているFさんに向かって、彼女は

心配しなくてもいいのよ。 これは天然素材から作られたものでとても安全なの。

と勝手に話を進めながら、いきなり...

 

 

 

洗剤を飲み始めたのだ。

 

呆然としているFさんを尻目に「ほら大丈夫でしょ!」と笑顔でほほえむ彼女を見て、とりあえずここは逆らわない方が良いと判断したFさんはとりあえず話を聞くことにしたのだが、

 既におばさんは勝手に土足でキッチンへ向かい
なんてキュートでプリティなキッチンなのかしらと奇声を上げている。

 やがて彼女は少し汚れたドアノブを見つけると、

この洗剤はすごいのよ。 見ててね。


とFさんに言いながらスポンジにつけて、このドアノブをこすると なんとキレイに汚れが落ちるではないか。

洗剤はほんの少しでもいいのよ。

といって彼女は今度は鍋の外側を磨きだした。 するとまたまたこびりついた汚れが落ちていく。

今日は特別に、このお徳用ボトルに
スポンジのおまけまでついて25ドルでいいわよ。

そう言われたFさんは何か引っかかるものを感じながらも、これを買うことにした。

彼女が帰った後、Fさんは不安を振り払うべく早速この洗剤を使ってみた。

ごしごし...

あ、ちゃんと汚れが落ちる!
アヤしそうな人だったけど大丈夫そうだわ。

ごしごし...

まだまだ落ちるわ。
結構良く効く洗剤かも・・・

ごしごし...

まだまだ.... . . . . . .!?

 ふとあることを思い立ったFさんはスポンジを水でしっかり洗ってからドアノブを拭いてみた。
 

 

 

 

洗剤なんて使わなくても落ちるじゃない!

 

 

後で分かったのはこのスポンジはScotch-Briteという製品で洗剤なしでも汚れが落とせるスグレモノらしい。 値段はスーパーで79セント

それでもFさんは例の洗剤を次回あのおばさんが来たときの「魔よけ」として大切に取っているらしい。



●ささやかな幸せ
 

 最近仕事が忙しい。 年末の休暇シーズン前に仕事を片づけたいと思うアメリカ人の一方的な都合のせいで、 Haruの前には仕事がどんどん山積みされていく。

こんな仕事のしんどい時期はちょっとした幸せが心に染みたりするんだよね。  なにげなく買ったダイエットペプシのキャップの裏に

もう一本アタリ

って書いてあるだけで おおっラッキー!なんて気分になってしまう単純なHaruなのだ。
 さっそく会社のカフェテリアにキャップを持っていくと、キャッシャーのおねーさんが 「うちではそういうのは取り扱ってないの」と冷たく言い放った。

おいおい、せっかくのささやかな幸せに水を差すなよぉ

 なんて思いながらも諦めきれないHaruは外出の用事のついでに近くのスーパーに立ち寄った。 そこでふと気づく

 いっぱしの社会人のHaruがペプシのキャップだけを握りしめて

おにーちゃん、これでペプシ頂戴!

というのもまるで小学生みたいで情けないではないか。 しかし財布を車に置いてきた以上今更後へは引けない。 そこでさりげなく渋い声で

このキャップでペプシが頂けるのかな?

 と聞くと、高校生のバイトらしい男の子が「はい、できます。」と笑顔で答えてくれた。  心の中でよしっ!ラッキーと叫んだHaruに向かって彼はこう言った。  

 

 

 

 

 

 

5セント頂きます。

...は? 何それ?

 

 

 

 

消費税は払っていただくことになっています。

 

 

 

3分後、ペプシのキャップを握りしめたHaruは寂しく会社の仕事に戻って行った。



●名古屋
 

 スピーカー付きパソコンでお楽しみ下さい。ちょいと
ダウンロードに時間かかりますけど。

未来首都「名古屋」はこちら

名古屋恐るべし。

P.S. 名古屋関係の方から丁寧な解説を頂きましたので、ここに併記しておきます。

  1. やっとかめ: 八十日目と書いてこう読む。お久しぶりの意味
  2. 華やかな芸能界に忍び寄る人: 名古屋章さん。でも名古屋出身ではないらしい。
  3. 淡雪: 岡崎市の銘菓。 ようかんでもういろうでもない。備前屋が有名
  4. ユニモール: 名古屋駅地下街
  5. 女子大小路: 名古屋の繁華街「栄」の近くにある歓楽街。昔「中京女子大学」があったことから、こう呼ばれるらし い。
  6. メルサ: 名古屋駅前、名鉄デパートの一角の愛称。栄にもある。
  7. 銀の柱: 若宮大通り公園内にあるオブジェの一つらしい。


●ボローニ
 

 会社のランチタイム、たまたま同僚のキムとデビーとカフェテリアで一緒になった。 その時、俺が何気なく質問したのは

「アメリカの定番ランチメニューと言えば何?」

そうね、ハンバーガーとかボローニサンドかしら。

ボローニ? どんなのだろう? わかんないなぁ。

ホッドドックが平べったくなったようなヤツよ。

?? ますますわからん?

じゃ今度私が一つ作ってきてあげるわよ。

 翌日、デビーがお昼に机まで来てくれて、「はい、これがボローニサンド」と言って渡してくれたのは、ただのハムサンドだった。(ボローニの写真)

これはハムじゃないわよ。 ボローニよ。

 詳しく聞いてみると彼らにはボローニとハムとの明快な違いがあるらしい。
 あくまでも肉の塊を薄く切ったものしか「ハム」と呼べず、 数種類の肉が混ざった、日本で俗に言うプレスハムは「ハム」ではなくて「ボローニ」なのだそうだ。

 彼らの理解では形はどうあれ「ボローニ」はホットドックソーセージの仲間なのである。

ふーんへんなの。と思いながら、「で、どういう綴りなの? そのボローニは」と
なにげに聞いたとたん

♪ 私のボローニの最初の名前は O.S.C.A.R

次の名前は M.A.Y.E.R ♪

毎日でも食べたいの。

 なぜ?

  だってオスカーマイヤーは

B.O.L.O.G.N.A

の美味しさの秘密を知ってるからよ。♪

とデビーが変な歌を歌い出した。

 それを聴いて、周りの数人が「どうした?」と寄ってきた。 デビーが

Haruにボローニの綴りを教えてるのよ

と言うとみんな同じ歌を歌い出す。

♪ 私のボローニの最初の名前は O.S.C.A.R...

唖然としているHaruを尻目に「ボローニの合唱」が周りで繰り広げられる。

 オスカーマイヤーはアメリカで大手のハム・ソーセージ会社なのだが、どうやら

30代以上のアメリカ人は
このオスカーマイヤーのCMソングで綴りを覚えた世代

らしく、とにかくボローニの綴りはこの歌を歌わないと思い出せないらしい。  ほとんど条件反射みたいなノリだ。

だと思ったら是非周りのアメリカ人に「ボローニ」の綴りを聞いて見て欲しい。 彼らは喜んで歌ってくれるはずだ。 多分。

ちなみに35歳以上の関西人の場合は「パルナスって何」って聞くと同じような条件反射してくれます。 多分。



●おばあちゃんの唄
 

これまたU先輩から聞いた話。

 U先輩が初めて南米のプロジェクトに参加したときのこと。
プロジェクトチームのメンバーに日系3世のブラジル人がいて、日本語が話せない彼は仕事の打ち合わせが終わった後、U先輩に英語でこう話しかけてきた。

実は仕事外で一つ質問があるんだけど教えてくれないか?

 

俺にできることなら、どうぞ。

 

もう亡くなった俺のおばあちゃんから
教わった日本の唄があるんだ。

 

ふーん

 

昔の日本の唄のはずなのに

妙にノリがよくて

特に最初の部分が印象的

な唄なんだ。

 

へぇー

 

でも家族の誰もその唄がどういう意味なのかわかんないんだよ。
日本語の辞書を見ても、意味が載っていないんだ。

 

大丈夫。
大抵の唄ならわかるはずだから、まかせてくれ。

ちょっと歌ってみてくれる?

 

とU先輩が答えると、彼はおもむろにこう歌い出した。。。

 

 

 

 

 

 

 

エーッサ。エーッサ。

エッサホイサッサ。♪

 

オサルノカゴヤダ。

 ホイサッサ。♪

フルコーラスを歌い終わった彼に対して、U先輩は何も訳すことはできなかった。。。。

 



●余裕の空間
 

Haruが仕事で韓国の地方都市に一ヶ月程滞在することになった時のこと。

 一週間ほどそのホテルに滞在した頃、それまで泊まっていたダブルの部屋の他に「デラックス」という 部屋の種類があって、しかも値段はダブルとほとんど同じだということに、気がついた。

 早速フロントに問い合わせると、なんでも

ダブルよりも更に余裕の空間

という謳い文句らしい。 しかもラッキーなことにたまたま空室みたいで、そちらに移ってもよいとの返事をもらった。

 Haruはなんか凄く得した気分でとりあえず翌朝、今のダブルをチェックアウトして、仕事に行き、夕方に"デラックス"にチェックインした。

わー広いなぁ。 ダブルの倍ぐらいの広さじゃん。

しかも最上階にあるから見晴らしもいいし。

これで同じ値段なんてラッキー。

などと思っていた。

とりあえずお約束のベッドでボヨンボヨンをやってから、テレビを付けた時、

Haruは愕然とした。

 

 

 

テレビが遠すぎて、画面が見えない。

 

そう、部屋は、いや部屋だけは異常に広いのだが、テレビは普通のサイズ。 そのテレビがベッドと反対側の壁に固定してあるので、 遠すぎて画面が見えない。

 なんだか悲しくなってきた。 今日はさっさと寝よう。  しばらく本を読んでいると、だんだん眠くなってきた。

もう、寝ようっと。
「おやすみなさーい」

ランプのスイッチが遠すぎて
灯りが消せない。

 

ベッドからスイッチまで2メートル。

 

電話も目覚まし時計も2メートルの彼方

 

翌日、Haruがこの「デラックス」をチェックアウトしたのは言うまでもない。(涙)



●小心者?
 

 シンシナティに出張で来ていたU先輩から聞いた話。

 2週間も一人でシンシナティに滞在しなければならなかったU先輩は、 一人でレストランでご飯を食べるのも何だか寂しいので、手軽なホテルのルームサービスを 頼むことが多かった。

 幸いにも彼が滞在しているホテルのレストランは割とまともなパスタを出す店だったので、 結構毎日パスタを食べていたそうだが、 いつもルームサービスを持ってくるおねーさんもなかなか親切で感じがよかったので、 結構仲良しになったらしい。

 ある日、U先輩は彼女がパスタと共に茶色い二つ折りの紙を持ってきて、いつもそのまま 持ち帰ってしまうことにふと気がついた。

 

ね、その茶色い紙は何?

えっ! これ..... 見たいの?

うん

少し困ったような顔をする彼女。

どうしても?

うん!どうしても。

 そこで彼女は微笑みながらも、観念したかのようにしぶしぶとその紙をU先輩に手渡した。

お客様ルームサービス満足度アンケート」と書いた紙を見て、彼はピンときた。

ははぁ、変なことを書かれたくないから、
この紙を見せないで隠しておいたんだな。

そんな心配しなくても、悪い評価なんか書かないのに。

彼女、結構小心者だなぁ。

などと思って、二つ折りの紙を開くと、そこには...

 

 

 

 

 

全てのアンケート項目「最高」と既に記入してあった。

うーむ、恐るべしマ×××トホテル



●イモムシは暖かい
 

 だんだん寒さが厳しくなる11月のシンシナティのある日、職場の連中といつものようにアメ食ランチに出かけた。

そこで俺は同僚のジョーになにげに「今日は暖かいね」

"It's warm today" と言った。

 この時ふと、昔勉強した英語の発音の教材で"Warm" (暖かい)と "Worm"(イモムシ)の発音練習に苦労したことを思い出したので、こう加えた。

 日本人には英語の発音は難しいときがあってね。 これを間違って

"It's worm today"「今日はイモムシだね」

と言っちゃう事があるんだよ。
と教えてあげると、

へぇー、そんなに大変なのか。 で、Haruはどうやって練習したんだい?

うん、間違いやすい単語を並べて何度も発音を繰り返すんだよ。 こんな風にね。。。

Worm, Warm, Worm, Warm,Worm, Warm, Worm, Warm, Worm...

 ところが、その実演を始めたとたん、周りの雰囲気が急に変わった。

近くのお客さんや店員さんがヘンな目線を俺に向けるし、ブロンドのおねーさんはなぜか足早に通り過ぎていく

おまけに当のジョーは大爆笑の嵐。

えっ?何?................
 

 

 

ようやく笑いが収まったジョー涙目で、俺に向かってこう言った。

 

Haru、その練習はこっそりやった方がいいぞ。 それって........

 

 

 

 

 

  俺は勃起している!っていう意味のスラングだよ。

ちなみに正確には My worm is warm.らしい(涙)



●天国の味
 

 「フルーツの王様」と呼ばれる「ドリアン」は別名「地獄の臭い、天国の味」と言われる東南アジア産のフルーツで、 濃厚な美味しさと強烈な臭いのせいで、好き嫌いが激しく分かれる食べ物である。

 特に臭いが強烈で、フィリピンやタイの空港や一流ホテルでは「ドリアン持ち込み禁止」の標識がかかっているぐらいである。

 Haruが仕事でフィリピンに滞在している時、不意にドリアンのことを思い出して、仕事仲間のSさんと夕食後マニラの ダウンタウンまで食べに行くことにした。

   現地の人にお勧めのフルーツスタンドを教えてもらって、出かけることにしたのだが、 その時何人かの人が

「ビールを飲んでから、ドリアンを食べてはいけない」

って教えてくれた。 でも「なんで?」って聞いても理由がはっきりしないし、人によって言うこともかなり違う。

 よくわからないままにその日の仕事も終わり、スタッフとの夕食になったのだが、いつもの癖でつい ビールを飲んでしまう。 あ、やばいかなぁと思ったけど、Sさんも飲んでるからいいよね。。。

 そしていよいよ例のフルーツスタンドに向かったのだが、お店の駐車場でドアを開けたとたん、  強烈な臭いが襲ってきた。

それはまさに酸っぱいウ○コの臭いである。
(お食事中の方、すいません)

 もし目隠しされてここに連れてこられた人がいたら、100%屎尿処理場だと思うに違いないというぐらい臭い。

 この時点で既に2人の頭の中は「早くこの臭いから逃れて、ホテルに帰りたい」しかなかったのだが、 みんなに食べてくると偉そうに宣言した手前、一番小さいのを500円で買って、そこで食べることにした。

 一番小さいと言ってもラグビーボールぐらいあるのだが、種の周りについているクリーム状の部分だけを食べるので、 量はそんなに多くない。 が、一口食べてびっくり! ちょっと果物とは信じられないような濃厚な美味しさなのである。

 例えて言うならば

新鮮なミルクと卵で作った甘いカスタードクリームに
高級ブランデーが入っている

ような味だ。

 この美味しさに例の臭いも気にならなくなってきた我々は迷うことなくもう一個追加。 2人でむさぼるようにして食べたのだった。

 大満足でSさんと別れた後、ホテルのベッドに寝っころがって、Haruは

確かにドリアンは臭いけど、「地獄の」っていうのは大げさだよな。
あれだけ美味しいとあの臭いも我慢できるって感じだし。
だいたい、周りのみんなが脅かしすぎるんだよな。

と思ったりなんかしてたのだが、その時、

あの地獄の臭い

更に強烈になって

突然襲ってきた。

なにげにした小さいゲップがその原因だった。

うげー。臭いー。

しかも胃がどんどん膨れて来て、そのゲップが止まらない。

そのたびに「更にパワーアップしたあの地獄の臭い」がホテルの部屋中に充満する。

 後で聞いた話ではアルコールとドリアンが反応して、亜硫酸ガス(本当か?)を発生したらしい。

 ほとんど口から毒ガスを吐き出す怪獣の気分だが、本人はあまりの臭さにそれどころじゃない。何しろ高層ビルのホテルなので 窓も開けられない

うげー。臭いー。

 夜が更けてきて、すごく眠たいのに止まらないゲップとその悪臭のせいで眠れない。(涙)

 結局、明け方までほとんど一睡も出来なかった

 

 

嗚呼、恐るべしドリアン

っか人の忠告ちゃんと聞けよ > Haru



●君の名は呼べない
 

 Haruがアメリカで仕事を始めた頃、アメリカ人の同僚たちの名前を漢字で書いてあげたことがあった。

 結構みんな喜んでくれたのだが、しばらくすると、それがどういう意味か知りたくなるらしい。

ね、Haru。 私の「テリー」ってどういう意味になるの?

うーん、 「照り」だからなぁ。 「熱くてギラギラしてる」って意味かなぁ。

なぁ、俺の「トレバー」ってのは?

これは簡単。 「取れば?」 "Why don't you take it?"って意味だよ。

 こんな感じでみんなの名前をこじつけながら説明していていったのだが、 何故かわからないがだんだんとイヤな予感がしてきた。  それは、、、。

な、俺のはどう?

 と訪ねてきた彼は、典型的な肥満体型で、ピザとテレビが大好きだという奴だ。
 一度俺の愛車で相乗りしてお昼を食べに行った時なんか、明らかに車が右に傾いていた というぐらいの巨漢である。

 でもとてもいい奴で、仕事でもプライベートでも結構助けてもらったりしていたのである。

な、俺の名前はどんな意味になるんだ?

 と重ねて尋ねる彼の前で俺は一瞬何も言えなかった。 だって彼の名前は

 

 

 

 

 

 

デーブなんだもん。

俺は目を合わせないようにしながら、
「うん、デーブには「爽やかな」って意味があるんだよ」。と言い切った。

 アメリカ赴任3日目の事であった。

ごめんね。デーブ。 でも面と向かって「デブ」とは言えなかったのさ。



●英語の勉強 Part1
 

 英語の発音は難しい。 文法が正しければ、何とか通じるという説もあるのだが、 オハイオ英語しか使わないようなシンシナティの純正地元民にはやはり正しい発音が必要不可欠である。

 Haruが米国に来る直前に、革新的な(と本人は思ってた)発音勉強法が突然、脳裏に閃いた。

 それは「音声入力ソフト」というコンピュータソフトを使うという作戦である。これはキーボードでタイプする代わりにマイクに向かってしゃべると そのまま字がタイプされるという便利なものである。

 「これを使って英文を読めば、間違った発音はそのまま表示されるはずだから 自分の弱点、例えば"L"と"R"の発音の間違いを見つけられる」という作戦だ。

 さっそく「音声入力ソフト」の中で一番売れているものを60ドルで買った。

 ところがHaruの革新的な勉強法は最初からいきなり出鼻をくじかれることになった。 というのは、説明書の最初のページにはこう書いてあったからだ。

「このソフトはお客様の発音のクセを自動的に記憶して音声をタイプします

おいおい、俺の間違った発音を覚えて、自動修正してタイプするんじゃ
間違ったところがわからないぞ!

全然ダメじゃん。

 などとぼやくもののどうしようもない。

 しかし気持ちの切り替えの早いHaruは

「ま、もともと英語学習に王道は無いと言うしな。 音声入力ができるだけでも十分いい買い物だよな。」

むりやり自分を納得させて、次のページに進んだ。

次のページには10行程度の英文が載っており、そこには

 以下の英文をお読みください。
 コンピュータが自動的にあなたのクセを分析、記録します。
と書いてある。 

 さっそく、その英文をマイクに向かって読み、「次に進む」ボタンを押すと、


「ただいま分析中」

の メッセージ。

そして...

 

 

 

 

 

 

それっきり
コンピュータは動かなかった。

俺の発音って、そんなに凄いのか?。。。



●「行け」と言われても...
 

 Haruは結構テニスが好きで、スクールに入っている関係でちょくちょく試合に誘われる機会がある。

 一人で戦うシングルスも楽しいのだが、2人一組で戦うダブルスもまたチームプレイが楽しめて面白い。 だが問題はやはり、英語による意志の疎通だ。  試合中だから、のんびり聞き返すことが出来ない。 当然、一瞬の理解と鋭い反応が非常に大事なことは言うまでもない。

 さて、先日参加したダブルスの試合の時、俺のパートナー、スティーブは相手の鋭いスマッシュを見て、一言

GO!!!!

って俺に叫んだ。

 「行け!?」と言われて、「俺はフリスビーを追いかけて飛びつく犬か?」などと思いながらも、一生懸命飛びつくが届かない。 結局ボールはアウトになってやれやれなのだが、スティーブは渋い顔だ。

 今度は山なりの高いロブ。 再びスティーブのGO!!!。  俺の身長では届かないのだが、それでも一生懸命ジャンプ。 ボールは再びアウトになったのだが、とうとうスティーブは渋い顔のまま俺の方にやって来てこう言った。

 

 

 

  「Haru, GOってのは "Let it go" (見送れ!)ってことだぞ。」

あ、そうだったのか。  だったら略して言うなよ、スティーブ。
もう少しパートナーに気遣ってくれよって、ちょっとムッとする。

 ま、でも俺も試合中は堂々と
「右だ。 スティーブ」って日本語で時々叫んでるけどな。



●予防接種

 今年の冬が始まろうとしていた頃、会社でインフルエンザの
予防接種案内が回ってきた。  保険が効くのでタダみたいだし、面白そうなので早速受けに行くことにした。

 小さな会議室で女医さんが一人で受付と注射を両方やるというこぢんまりとしたスタイルだが、 すでに部屋には4,5人の希望者が集まっていた。

 説明の紙には「男性は上半身裸になってください。」と書いてある。
 なんで注射するのにわざわざ上全部脱ぐのだろうか?と疑問に思いながら 見ていると、彼女のは

「鷲掴みにした注射器を二の腕に真っ直ぐ刺す」

注射法だ!! おいおい、こんないい加減なやり方で 大丈夫かと不安になるが、どうやらこれが彼女の普通のやり方らしい。 実際、ぜんぜん痛みもなくあっさりと自分の番は終わった。

 そこで女医さんに「今晩はシャワーやお酒は控えた方がいいんですよね?」と聞くと 「何故?」と逆に聞かれてしまった。

 そこで「日本では注射の後は発熱する可能性があるから、お風呂やお酒は普通ダメなんですよ」というと 「そんなこと聞いたことないわ」と言われるし、他の連中からは、「それって違う病気のアヤシイ注射なんじゃないのか?」 なんて笑われる始末。

さらに女医さん曰く、

そんなこと禁止したら、誰も注射なんかしたくないでしょう?

いや本来、予防接種はそういうものではないと思うのだが、、、、

これも何事も真面目すぎる日本とお気楽アメリカの違いなんだろうか?

 それにしても注射のご褒美が

 

「ペロペロキャンディー」

だったのはいかにも アメリカ的だが。



●ネギなのか?

 シンシナティのスーパーに普通に売ってある"Green Onion"は 普通の「細ネギ」に見える。

 でも一度でも使った方はご存じのとおり、ものすごくエグミがきつくてとても生では食べられない。
お味噌汁に入れようがうどんに入れようが、入れた瞬間発酵したネギの臭みがして、かなりキビシイ。

 で、秘かにささやかれている噂「あれはただのタマネギの茎らしい」というものだ。 確かにあの強烈なニオイは「細ネギ」というより「芽の出て腐りだしたタマネギに近い気がする。

が、

  実はあれでも日本でおなじみの細ネギと同じ仲間みたいなのである。

 その証拠に、根っこを再生して、プランターに植え換えると普通の美味しい日本のネギの味になったのだから。 もちろんうどんもお味噌汁もOK。

 それじゃあのひどいエグミはどこから来るのかというとおそらく

「アメリカ製の化学肥料」
からだと考えざるを得ない。

 というのは、日本からこっそり持ち込んだネギの苗をこちらで育てた時に、アメリカ系の肥料をやると みるみる大きくなるのでいい気になって、やり続けてたら、巨大化したあげくに「アメリカネギ味」のできあがり。

うーん、アメリカ製化学肥料、恐るべし



●理想の髪型

 「髪は女の命」なのかも知れないが、男にとっても、もちろん大事である。

 ただ「低コスト、短時間、いい加減」が売り物のアメリカの床屋で納得のいく髪型に切ってもらうのは至難の業である。  その為、少なくない在住日本人の方が日本から「 スキカル 」持参で、奥さんにカットしてもらう人がいるのもわかる気がする。

 とはいえ、職場のアメリカ人同僚を見てみても、みんなキチンとしているし別に家で切ってるわけでも無さそうだ。 で思ったのは

「だまって座っているから、適当に切られてるのであって、
ちゃんと細かい指示を英語で出せば、普通の床屋でもやればできる」

のではないかと言うこと。

 そこで気合いを入れて、必要そうな英単語を仕入れて、細かい指示の文章もある程度暗記してから、いつもの会社から近い だけが取り柄の床屋に出かけた。

 さすがに前日から準備してあるだけあって、細かい指示がすんなりと口に出てくると、担当のおばちゃんも気合いが入ったのか、 少し切るたびに「どう?」なんて聞いてくる。

 「おおっ、俺が今主導権を握っている」という達成感に浸りながらも 気を緩めることなく、指示を出すこと20分。 満点とは言わないが、


まずまずの髪型ができあがったではないか!

 普段は手よりも口の方が数段多く動いているおばちゃんも難しい客のリクエストに応えた達成感からか、もしくはチップへの期待からか 妙に上気しているように見える。

そう俺は自分の要求をきちんと英語で伝えることができたのだ。

床屋のおばちゃんを見事にリードして
自分が求めていた髪型を手に入れたのだ。

 こういう時は気持ちよくチップを弾んであげよう。
するとチップを嬉しそうに受け取ったおばちゃんは、なにやらごそごそと紙に何か書きだした。。。。

しばらくして彼女はその紙を差し出しながら俺にこう言った。

「なかなか自分の思い通りの髪型を慣れない英語で注文するのは大変でしょう?

 次来たときはこの紙を出せば担当が私じゃなくてもすぐにわかってもらえるわよ。

さすがチップを弾んだだけのことはある。おばちゃん、気がきくね。

 これも俺が苦労して英語でコミュニケーションをした見返りだなぁなどと思いながら、その紙を見ると そこには一言だけ....

 

 

 

 

 

 

「バリカン番号 No.4」

と書いてあった。

おばちゃん、その程度なのね。 俺が求めていた理想の髪型って。。。。



●Lasik 視力矯正手術

 前々から狙っていたLasikをやっと受けることができた。 Haruの視力は0.05程度で視力検査の一番上の記号が見えないレベル。

 場所はケンウッドモールの前にあるボシュロム直営の"Lasik Plus Vison Center"で一度検査を受けた後に、 乱視も問題なく手術後1.0は間違いないとのことで手術を2002年2月15日に予約した。

 Haruのコースは乱視が入っているために片目999ドル(一年間のアフターケアー付き)のコースで 年齢不詳の童顔のドクター、マリノ氏が担当だ。 実は長い間この人を「ドクターマリオ」だと勘違いしていて 任天堂のゲームと同じ名前だと秘かにほくそ笑んでいた自分が情けない。

 手術の当日はまず二つばかりの書類にサインをする。まあお互いに誠実にがんばりましょうという内容のもの。 これが終わると、早口の事務的な看護婦さんが手術後の目薬の点眼の方法と生活の注意を説明してくれた。

 ま、どれも大したことはないが、お風呂に2週間は入ってはいけないと言うのは、お風呂大好きなHaruには かなり厳しい。 どうしてシャワーが良くて風呂がダメなんだよぉ。
(後で確認したら、これは温水プールで泳ぐことを意味したらしい。 じゃHot bathって書くなよ。)

 などなどと考えていると、看護婦は去り、童顔のドクターマリが現れる。

 ちなみにこの病院のスタッフは当然かも知れないが全員メガネはしていない。 どうやらエステのスタッフのおねーさんの 肌がみんなキレイなのと同じ理由らしい。

 さて手術室、木目の落ち着いた部屋に可動式の水色のベッドが置いてある。これが動くと レーザー装置の真下に眼が来るようになっているのだろう。 靴は脱がないでもいいという辺りが あいかわらずアメリカだなぁ。 さてさていよいよ手術開始。片目2分、計4分強の内容は以下の通り。

  1. 左目にカバーをする
  2. 麻酔の目薬を点眼する。
  3. 瞬きを防ぐリングを入れる。少し窮屈で痛い。
  4. 眼の表面をレーザーでペロンとめくる。(すこし痛い)
  5. 目にガーゼみたいな半透明な膜を重ねる。
  6. その上からレーザーで不要な部分を切り取る。 この時は全然痛みはないが、髪の毛や魚が焦げるような臭いがする。
  7. 膜をはずして、めくってある眼の表面を被せる。
  8. リングをはずす。(あー、少し楽)
  9. ハケみたいなもので目の上に薬を塗る。ぜんぜん感覚なし。
  10. 2-9を左目にも行う。
 2から9までの間、上では赤いランプが点滅している。それをずっーと見てるようにと言われる。

 手術直後から、いきなり目は開けられるし、痛みもぜんぜんない。 ただ目がすごくよくなった実感は あまりない。 0.5ぐらいになった感じかな。 妙にまぶしくて、目がだるくて眠い感じがする。

 帰宅後4,5時間寝るように薦められる。 もともと仕事が忙しくて寝不足だし、睡眠薬も飲んだので、 爆睡するが、寝てるときに目をさわらないようになんとも格好悪い特製プラステックのメガネを渡される。 モロボシダンになったような気分だ。

 たっぷり6時間の睡眠から目が覚めると、また視力がよくなった感じがする。 0.8ぐらいの感じ。 でも初日は本、テレビ、コンピュータ禁止なので、料理などで時間をつぶす。 4時間で3品の常備菜ができた。 またまた眠くなったので、再び睡眠。朝までしっかり寝た。

 翌日夕方に買い物に出かけて、トライカウンティの辺りの夜景を高速から見る。 今まで何度も見ているはずなのに すごく綺麗で感動した。 昨日までの景色とは違うぞ。 スピード取り締まりのパトカーまでキレイに見えた。(笑)
 今朝の診察の結果は1.0。 どうやら手術はうまくいったらしい。。。

 ただドクターマリに 「もしも手術が失敗したらどうするのか?」と質問した時の答えはいまだに忘れられない。

「そんなことはまずありません。 でも万が一の時には再手術で眼をレーザーで削ります。」
 不安そうな顔をした俺に彼は笑顔でこう答えた。

 「大丈夫。 一年間の再手術は無料ですよ。」

「しかもHaruさんの眼はまだまだ

何回失敗しても十分な厚みがあります。」

ニコニコと真顔で答えるドクターマリを見て、一瞬やめようかと思ったのは他でもない。

あ、念のために書いておきますが、ドクターマリノはすごい優秀なドクターらしいですよ。 きちんとした実績を持った先生です。



●まとめ買いの罠

 牛乳やハムなどの食べ物には

さすがのアメリカにも賞味期限がある

のですが、だいたい残り一週間を切ると50%Offとかにして売ってしまおう作戦が始まります。

 この時よく使われるパターンは「4つで3ドル」とかいうまとめ売りで、これは日本でもおなじみの物なのですが、 どうもこのパターンがアメリカではかなりアヤシイみたいなんです。

 試しにジャングルジムで「4つで3ドル」の牛乳を一つだけ買ってみましょう。

レシートには"75セント"と書いてあります。


 ThriftwayでHaruが好きなOscar Mayerのハム「4つで5ドル」は

"1.25ドル"

こら、まとめて買っても買わんでも値段一緒だぞ。

必ずしもそうとは限らないと思いますが、まとめ売りで一個の時の値段を書いてない商品はこのパターンだと 99%思います。

 なんでもアメリカのスーパーのPOSレジはそういうまとめ買いの時だけ安くする機能が 付いてないのだそうで。。。(おいおい)

さぁ奥さん、明日から堂々とまとめ売りをバラで買っちゃいましょう。



●最悪のコンビネーション

 お昼には会社のカフェテリアで取ることが多いHaruですが、だんだん現地化してきて以前はこんなの食事じゃないっ! なんて言っていたものの、だんだん好きになってきています。

 お昼をポテトチップだけで終わらせるというのも、結構アメリカ人のパターンですが、 さすがにそれだけではバランスが悪いだろうと、牛乳と一緒に買って同僚が待つテーブルに向かったのですが、、、

 席に着くやいなや、
「げー、すっごい組合せ。 Haru大丈夫?」
「そんな変な食べ方を日本ではするのか?」
「それって最悪のコンビネーションだぞ」 などなどの激しい非難の嵐。

 普段人のことにはあまり口出ししないアメリカ人の同僚が、まるで別人のようです。
 じゃ、何を食べるときに牛乳を飲むのか?と聞くと、「クッキーやシナボンのような甘い物」の時だけで、 とにかく甘い物以外と牛乳は禁じられた関係らしい。

 それじゃ何がお薦めの飲み物なのと聞くと、「そりゃ塩っ辛い奴にはPOP(炭酸)が一番だよ。」とのこと。

 なるほどなるほど、それで会社のアメリカ人を日本で吉野屋の牛丼に連れていった時にあいつは コーラを飲みたがったのか。

恐るべし、アメリカ。


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