「居酒屋やまぐち」はお寿司も鉄板焼きもない日本食レストランだ。日本人や日本食ファンが多いロスやNYならまだしも、日本食=寿司&鉄板焼きだと信じているアメリカ人が大多数の中西部では非常に珍しいスタイルだ。
そのお店の場所だが、2004年秋にオープンしたばかりでまだ看板もないこのお店は見つけるのは結構難しい。
Todds dr.沿いでEdward Jonesが入っているモールのある一画、デザートのお店Incredibly Delightの横がその場所だ。
店内は高い天井のモダンな内装で、民芸風のテーブルが8卓程度+5人が座れるほどのカウンターがある。
店全体は、それほど広いスペースではないがテーブルの間隔がたっぷり取ってあり非常にゆったりした雰囲気だ。
そして料理は、さすが寿司抜きで日本食レストランを開くだけのことがある、レベルの高い一品料理が多い。
写真手前左の寄せ豆腐($2.60)は手作りでキチンと大豆から作ったもの。大豆のほのかな甘みと柔らかい食感がいい感じ。手作り納豆($2.60)も自家製なのだが今回は品切れとのこと、残念。
イカの塩辛($2.00)も手作りでプリプリのイカに新鮮なワタの旨味が絡んで美味しい。ただ普通の塩辛よりはずいぶんと塩分は控えめではある。
鶏の竜田揚げ($2.80)や写真右奥の厚焼き卵($2.80)も家庭的なやさしい味付けでいい感じだ。そしてきちんと作ってある料理なのに、ここまでの一品料理の値段は2ドル台という安さである。
実際、男性二人で9品にビールを付けて、40ドルちょっと。これは一般的な中西部の価格から考えると3割程度安い。
また清潔な店内や控えめなBGM、きちんと作り込んであるメニュー、迅速でフレンドリーなサービスなど細かいところへの気配りも気持ちがよい。
ただ居酒屋と言う割に味付けが家庭的で薄味のメニューが多く、ビールがグイグイ進むようなピリ辛系やこってり系のメニューが少ない。
そのビールは、料理の値段が抑えめであるが故にやや割高な感じがする。(一番搾り1本:$5.75)
また取り扱っている日本酒が「菊水」「辛丹波」など中西部のたいていの日本食レストランでも扱っている平凡な銘柄ばかりなのが残念だ。
もう少しよい日本酒、例えばParty Sourceで,扱っている「酔鯨」や「くろさわ」などがあれば、さらに料理が美味しくなるのでは。常連らしき人々がみんなワインを飲んでいる姿はちょっとヘンな感じがした。
とはいえ、オーナーの並々ならぬ意気込みが感じられる「居酒屋やまぐち」これからが楽しみなお店である。
ちなみに週末近くは混むので予約しておいた方が確実とのことです。